五代将軍徳川綱吉の側用人として知られる柳沢吉保によって造られた、大名庭園の中でも代表的な「六義園(りくぎえん)」。いよいよ紅葉シーズンを迎える六義園では、今月下旬から紅葉を鑑賞するライトアップが催されます。
六義園の自然を取り入れた行事はどの季節も人気が高いので、イベント開催中の週末ともなれば大混雑。せっかく日本の心に触れようと出かけても、疲れ果てては意味がありません。
今回は、六義園の「紅葉と大名庭園のライトアップ」情報と、時間を上手に使って無理なく鑑賞する方法をご紹介したいと思います。
Contents
「紅葉と大名庭園のライトアップ」開催情報
2016年開催日時
2016年11月19日(土)~12月7日(水)
9:00~21:00
※ライトアップ期間中の特別開催時間
※最終入園は20:30
※ライトアップは日没~21:00
※駒込駅から徒歩2分の「染井門」も開門
※16:30以降、安全確保のため立ち入りを制限する区域あり
入園料
一般 :300円
65歳以上 :150円
※小学生以下と都内在住または在学の中学生は無料
アクセス
【JRまたは東京メトロを利用】
JR山手線・東京メトロ南北線「駒込」(N14)下車 徒歩7分
※裏門にあたる「染井門」までは徒歩2分
【都営地下鉄線を利用】
都営地下鉄三田線「千石」(I14)下車 徒歩10分
※裏門にあたる「染井門」までは徒歩16分
【こちらが六義園の「正門」です】
【こちらが六義園の「染井門」です】
駐車場・駐輪場
専用駐車場はありません。
駐輪場は、小規模ですが「染井門」の横にあります。
イベント期間中の園内臨時サービス情報
イベント期間中は、園内サービスの営業時間の延長や臨時営業が行われます。
一部ご紹介しますので、ご参考にどうぞ。
抹茶茶屋
『吹上茶屋』
9:00~20:30(ラストオーダー20:00)
『心泉亭』
平日 12:00~20:00(ラストオーダー19:30)
土日祝 10:30~20:00(ラストオーダー19:30)
もみじ茶屋
『吟花亭跡』
10:00~20:00
※軽飲食の販売
※悪天候の場合休業
お土産処
サービスセンター前 9:00~20:00
※六義園オリジナル商品などのお土産販売
※※悪天候の場合休業
庭園ガイド
11:00~、14:00~の各回60分程度
※集合場所:サービスセンター前/染井門売札所前
※参加費無料
※悪天候の場合休業
◆ワンポイント情報◆
軽飲食が販売される「吟花亭跡」は、お花見をするための場所として使われていたとか。
周囲には桜の木をはじめ、春には様々な花が楽しめるようなところに位置しています。
池の周囲から奥にグッと入り込んだ場所にありますが、そこだけ急に開けているので見落とすことはないと思います。
混雑を避けて紅葉を楽しむ『攻略5ステップ』
六義園のイベント行事はどれも人気が高くて、イベント開催中の週末ともなればチケット売り場は長蛇の列になります。
どうせなら近隣施設も待ち時間に使って、ゆっくりと六義園界隈を楽しむ方法をご紹介します。
STEP1:前売り券を買う
どうしても土日祝日を外せなければ、前売り券を利用しましょう。
ただ、前売り券は六義園のチケット売り場のみの販売となるので、六義園に一度立ち寄る必要があります。
午後を過ぎると列が長くなり、場合によっては40分以上待つこともあるようなので、できるだけ早い時間帯での購入がお勧めです。
STEP2:六義園ゆかりの地で食事する
六義園の正門方面に、六義園ゆかりの地「東洋文庫」が保有する「東洋文庫ミュージアム」があります。
その敷地内の裏手には、東洋文庫と深い関りがあるオリエントカフェがあり、店内は知的空間を醸し出していて、ゆっくり過ごすにはおすすめ。
まずはカフェで一休みしたら、最近「日本一美しい本棚」で人気急上昇中のミュージアムに足を運び、ライトアップまでの時間をゆったりと過ごしてみてはいかがでしょうか?
ご参考までに、オリエントカフェはできるだけ予約を取ることをお勧めします。
オリエントカフェ電話番号
03-3942-0400
STEP3:16時頃までには入園する
季節のイベントを開催中の六義園は、日中でも多くの観光客で賑わっています。そのため、日没よりも早めに六義園に入りましょう。
ちなみに、11月の東京の日没は16:30前後なので、そろそろライトアップが始まる頃です。
STEP4:「吹上茶屋」を目指す
六義園周遊の中間地点にあたる「吹上茶屋」では、静かに佇む池を眺めながら、お抹茶と季節の和菓子をいただくことができます。
六義園のオリジナルのお土産も販売されていて、今だと手作りの「ゆず羊羹/一本550円」が買えます。ゆず羊羹のパッケージが素敵ですね。
「吹上茶屋」営業時間
9:00~20:30(ラストオーダー20:00)
お抹茶セット
¥510(お抹茶と季節の上生菓子)
STEP5:紅葉鑑賞を楽しむ
イベントの無い日の園内は、ゆっくり散策しても1時間ちょっとで周りきることができます。
混雑時は人が多く、多少進み具合が変わってくるのですが、それでも2時間もあれば十分かと。
早いうちに入園して、ライトアップの始まりとともに紅葉を鑑賞すれば、帰りの混雑にも巻き込まれにくく、スムーズに帰路につくことができます。
◆ワンポイント情報◆
イベント時にだけ開門されるこの「染井門」は駒込駅の目の前で便利なため、歩道に沿ってズラリと人が並んでいるのをよく見かけます。
どの最寄り駅からでも徒歩で10分前後となる反対側の正門は意外に空いていることがあるようですので、正門はタイミングがよければスムーズに入園できる可能性が高いです。
庭園内の見処をご紹介
先日近くを通りかかったので、まだライトアップ前ではあったのですが、ちょっと寄り道をしてみました。
こちらは、駒込駅に近い「染井門」。普段は閉まっていることがほとんどですが、今日は珍しく開いていたので、「染井門」から入ってみます。
入るとすぐに、茂った大きな樹に囲まれた小路に迎えられます。
このまま正門方面に進むのですが、「染井門」から数メートルのこの地点で、既にここが都会の真ん中だということを忘れるほどの静けさです。
こちらは、正門近くにある、都内でも有名なシダレザクラ。
正門から庭園の中心に入るための「内庭大門」の広場にこの大木があって、春には見事な花で観光客を迎えます。
今は来年の満開に向けて、静かに越冬の準備中。
シダレザクラの前を過ぎると、急に視界が開けて見事な庭園が広がります。
園内はまだ全体的に青々としていましたが、一部で紅葉が始まっていました。これから加速度的に色づいていくことでしょう。(2016年11月5日現在)
六義園は、「回遊式築山泉水庭園」という日本庭園の形式が用いられていて、池の周りに施された緑豊かな小路と小高い山が、森の中を散策しているかのような雰囲気を楽しめるように造られています。
池を沿うように歩く小路も風情があって素敵ですが、一歩奥へ分け入った先の園路の趣向も、ぜひ楽しみたいところです。
たとえば「滝見茶屋」。
あずまやの横を渓流が走っています。ここからは、滝や水分石(みずわけいし)などの景観を楽しみながら、静かな水音に癒されます。
こちらは、「滝見茶屋」を通り過ぎて現れる分かれ道を、左手に進んだ場所にある「つつじ茶屋」。
つつじの古木材で建てられたものだそうで、小高い丘の上に設けられています。
大した距離を歩いたわけではないのですが、なんとなくこの中に座りたくなる気分。
この辺りはモミジの樹に取り囲まれているので、紅葉シーズンには圧巻な景色を楽しめるでしょう。
これは「つつじ茶屋」から見える小川です。
「山陰橋」と呼ばれる小さな橋も見えます。
その先の園路では、なにか小動物にでも出会えそうな雰囲気。
期待が膨らみますね。
そう言えば、園内では「日本茶文化講座」が開かれていました。日本文化に興味をお持ちの外国人観光客にも、人気があるようでした。
【追記】六義園紅葉のライトアップ開催情報(2017.11.5)
2017年開催日時
2017年11月18日(土)~12月6日(水)
9:00~21:00
先日、六義園の前を通りかかったら開催日時が掲載されていましたので、追記します。
編集後記
六義園は、大きな池を中心にして、小高い山や、池を渡る橋、滝などを周囲に配置した「回遊式築山泉水庭園」なので、園路の一部には坂道や階段が続く場所があります。
お出かけの際は、ヒールのない靴や歩きやすいスニーカーがおすすめです。
もちろん、>車いすでも周遊できるように整備されていますので、ご家族で安心してお出かけください。