旅は人を成長させる・・・これはよく聞くフレーズですね。
とくに海外旅行は否が応でも異文化に飛び込むことになり、勝手にイメージしていた自分の世界観はガラリと塗り替えられてしまう。
その塗り替えられた世界観と同じだけ、新しい発見をしたことになります。
最近では、「子供の旅育」という言葉が聞かれるようになりました。
我が家でも、子供がまだ赤ちゃんの頃から子連れで海外旅行に出かけていました。
今回は、これまでの海外旅行が今の思春期にどんな効果を生みだしているか、その実体験をご紹介したいと思います。
Contents
子供の海外旅行デビューはいつ?
我が家の子どもの海外旅行デビューは、1歳9か月。
背中に自分のおむつが入ったリュックを背負っていても、しっかりと走り回れるほどの体力がついた頃でした。
当時はやっと、子連れ海外旅行のツアー特集などが組まれるようになった頃で、子連れサポートサービスはかなりレア。機内での間の持たせ方も、相当まわりに気を遣ったものです。
そんな理由で、最初に子連れでの観光先として選んだ場所は、移動しやすいグァム。日本から行く、初の海外旅行の王道ですね。
でも、日本からのフライトが約4時間、時差1時間、言葉に不自由なし・・・と、国内観光と変わらない旅行環境であるうえに、旅費は安く、なんと言ってもこどもの身体への負担が少ない。
衛生面や感染症の心配がほとんどないことも、小さな赤ちゃんにとっては大きなメリットです。

初めての子連れ海外旅行におすすめのグァム。
グァムは、初めての子連れ海外旅行の旅先としては最適な場所なのでおすすめです。
当時、私たちが初の子連れ海外旅行先の一番の条件にしていたもの、それは小さな赤ちゃん連れでも、私たち家族全員にとってノンストレスであることでした。
海外旅行が教育になると思ったのはいつから?
もともと私自身が国内も海外も問わず旅行が好きで、子連れで海外旅行をするのは、ごく自然な流れでした。最初の海外旅行の感覚は、ただの家族の観光レジャーでした。
けれど、すでに子供がお腹にいるときから、「この子が社会人になる頃には、海外に出るのも当たり前になっている」という、直感めいたものがありました。
まだグローバル教育という言葉は、あまり使われていない頃ではあったのですが。
でも、それから10年ほどの間に、急速に「これからの時代はグローバル!」が合言葉になり、今では小学校から英語教育が始まっているほど。
あのときの直感は正しかったんだと、今でも思います。
言葉の学習だけを考えると、大人でも半年くらい海外留学をすれば日常会話に困らないレベルまで上達できます。
でも、早いうちから異文化に触れたり外国の人とコミュニケーションをとることは、社会人になって世界を活躍の場にしたいと思ったときに、度胸が違ってきます。
そんな思いがあったので、子供が現地の人たちとコミュニケーションをとれるようになった3歳の頃には、すでに海外旅行への意識が「家族レジャー」から「教育」に変わっていました。
海外旅行が子供の教育に与えた5つの刺激
毎年、どこかの国の異国文化に触れてきた我が家の子供ですが、思春期の今、どんな刺激を海外旅行から受けたと感じているかを、まとめてみたいと思います。
(1)無理しなくても伸びる語学力
日本人にとって英語の学習が難しいのはリスニング力が伸びないからでもあるのですが、我が家の子供は幼い頃から自然とリスニング力が伸びています。
英語学習に無理な力を入れてきたわけではないので、むしろリスニング力だけが断トツに伸びていると言ってもいいかもしれません。
英語検定やGTECなどの実力試験や校内の定期テストでも、リスニングの点数で救われています。
もちろん、リスニングで点数を取るということは英語の内容も理解できていないと厳しいので、英文法や英単語の暗記なども後を追うように自然についてきていると言えます。
(2)英語以外の語学への興味
英語には早くから関心が強かったのですが、中学生になるとその興味の範囲は一気に多言語へ。
中国語、タイ語、フィリピン語などのアジア圏だけでなく、なぜかロシア語やスペイン語にまで強い関心を示すようになりました。
ロシア語は、日本語やポルトガル語のように文法が最も難しいと聞くのですが、本人はおかまいなしです。
とくにタイ語は、我が家に来ていたタイの留学生の影響を受けたこともあって、受験勉強をそっちのけで独学していたほど。
中国語は、YouYubeで繰り返し動画を見ているうちに、何を言っているのか分かるようになってきたそうです。
(3)早くから定まる将来の目標
小学校の低学年の頃には、海外を視野に入れた将来の夢がはっきりと決まっていました。
そして、夢が決まっているので、中学校⇒高校⇒大学と進路を決めていくのも、そんなに迷うことがありません。

海外旅行は、子供に海外を視野に入れた夢を持たせる力もある。
その職種は、海外はもちろん日本国内でも需要があるし、語学力があれば選択肢も広がります。
もし将来の目標を変更することがあっても、そんなに困ることはなさそうです。
海外旅行による「旅育」は、自分の将来の夢を海外にまで結びつけていく力があります。
(4)高い心の知能指数EQ力
我が家の子供は感情が豊かで、情緒は安定している方ではないかと思います。
また、トラブルが起きてもすぐに別の方法で立ち直ろうとする力は、親の私たちから見ても感心させられるほど。
切り替えが早く、「失敗しても自分には別の方法でやっていける」と本人は信じています。
最近、頭脳の高さを示すIQと並んで使われるようになってきた、こころの知能指数EQ。
このEQ力は、今や学校だけでなく、企業の人材育成でも項目の1つに加えられるようになりました。
「感情のコントロール」「対人関係」「状況判断」などから成り立っているEQ力は、人間形成の上でとても大切な数値。この数値が高いほど、世の中を上手に渡り歩いていけるそうです。
ぜひこのまま、感性が豊かな人間に育っていってもらいたいものです。
(5)高まるコミュニケーション能力
EQ力と重なりますが、なんと言ってもコミュニケーション能力の高さが、海外旅行の実体験教育から得た大きなメリットだと思っています。
初めて行く遊び場やイベントなどでも、十数人のグループならすぐに友達を作るほどでした。
思春期となった今でも、国籍に関係なく誰とでも気軽に打ち解けています。
言葉が通じないときには、スマホの検索機能やジェスチャーなどあらゆる手段を使い、とにかくコミュニケーションを取ることを大切にしているようです。
心が育つ海外旅行の仕方3つのポイント
当然ですが、海外旅行にルールなんてないですよね。強いて言うなら、楽しい旅であること。
親の私たちが楽しめなければ、子供にとっても旅行は退屈です。それをベースに、この3つは意識するようにしています。
また、海外旅行が子供の情操教育に役立つとは思いつつも、教育だと子供に感じさせないような旅にすることも大切だと思っています。
(1)ローカルエリアを観光する
子連れでの海外旅行に限らず、私は必ずその国のローカルなエリアに行きます。
一般的な観光地はもちろん見て歩きますが、その国の文化や生活はやっぱりローカルエリアが一番濃く感じることができるから。
市場での商品の陳列の仕方、洗濯物の干し方、井戸端会議の仕方など、新鮮な光景にたくさん出会うことができます。
もちろん、家族旅行でも子供と一緒にこんなスポットを散策。
ただ、治安の良し悪しは、先にきちんとチェックしておくことをおすすめします。

スーパーや市場などにはその国の濃厚な文化が凝縮されていている。
現地の方の生活空間には、飾り気のない濃厚なその国の文化が凝縮されているので、ぜひおすすめです。
(2)現地の福祉施設を訪問する
少し長く旅行先に滞在できるときには、福祉施設などを訪問することも。
ショートステイでは厳しいのですが、1週間以上滞在できるときには、養護施設や山間部に住む人たちとの交流を、我が家のこどもと一緒に体験させていただくこともありました。
また、途上国では物乞いで生活をする人たちや、幼い子供がゴミの中から物を探して働く地域に足を運んだこともあります。
(3)先進国と途上国を旅行する
我が家はマリンリゾート系が好きなので、どうしても近隣で海がキレイな後進国に偏ってしまいがちなのですが、長い休暇が取れるときには先進国にも旅行します。
衛生面に気を配らなければいけない途上国から、生活に不自由を感じない先進国までをバランス良く観光することで、日本を軸にした多彩な異文化や生活水準の違いを子供が体験できると思うからです。
ちなみに、なぜ暖かい地域の途上国には、こうも路上生活者が多いのか?
どうして、その生活を改善するために働かないのか?
と、疑問に思うことがありました。
この疑問に答えてくれたある国の人の話しでは、「一年中暖かいので、凍死する心配がない」というのが、大きな理由だとか。
その日暮らしが成り立てば、それで十分なんだそうです。
こんな風に、なかなか発展しない地域の根底にあるお国事情も、子供は自然と知識を得ることができます。
初めての海外旅行はハードルを下げておく
たしかに、文化の違いや自分たちがいかに恵まれた環境で勉強できているかを知ることは、子供の成長にとって、とても大きな意味を残してくれると思います。
けれど、海外旅行を情操教育の一貫として捉えすぎて、たとえば最初からスラム街などを見せようとするのは避けることをおすすめします。
テレビで見るのとは大違いで、幼い子供の恵まれない環境は、大人でも大きな衝撃を受ける光景です。
キレイで清潔な日本しか見たことのない子供にとっては特に、海外がトラウマになる可能性も。

フィリピンのダバオにある現地の人々が暮らす集落。
将来の広い視野の夢に結びつけてあげるためにも、最初はハードルを低くして、「海外旅行は楽しいもの!」くらいで帰宅できることをおすすめします。
思春期の今に役立っている海外旅行のメリット
海外旅行に情操教育の期待を込めて、幼少期からいろんな文化に触れる体験をしてきた我が家の子供の口癖は、「自分が好き」です。
あまり自分自身を好きだの嫌いだのと考えたことがない私から見ると、ちょっとナルシストに思えるほど。
けれど、自分が好きと言うだけあって、自分を大切にしてくれていることが、とてもよく伝わってきます。
その分、気持ちに余裕があるのか、他人に寛大。
相手に非があっても、人を許すのが上手な方ではないかと思います。
仲裁に入って、逆にトラブルを被る場面もあるようですが、何かと上手く切り抜けているみたいです。
また、世の中には、人の数だけいろんな考え方があるとも思えているようです。
人との意見の違いを受け入れつつも、それに流されることなく自分の考えもきちんと持っています。
海外旅行では、いろんな異文化の人との出会いがあります。
赤ちゃんの頃から触れてきたことで、日本人としての考え方だけではない、親の私が気づいていないような豊かな視点を持てている気がします。
編集後記
何かに行き詰ったときやマンネリ化した毎日に辟易したとき、ふと海外に出かけて環境を変えたくなったりします。気分をリフレッシュさせるという意味でも、旅行はメンタル面で大きな刺激を与えてくれますよね。
気のせいか、帰国後すぐに忙しい現実に放り込まれても、しばらくは穏やかな気持ちでいられる・・・。海外旅行は、子供だけでなく大人の心の教育にも役立っているように思います。