
日本人が海外旅行をするときの心配ごとのひとつが食事。盛んな貿易のおかげで、最近はどこの国に行っても食事で苦労することがほとんどなくなりましたが、初めて来日する留学生にとっても、不安材料のひとつかもしれません。
この春、我が家で初めて留学生を受け入れたのですが、やっぱり食事は気になりました。好き嫌いだけの問題ではないので、今回は留学生の食事について気をつけたことをご紹介したいと思います。
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受け入れた留学生とは?
タイ王国から1週間の日程で、高校生の女の子をエージェントを通して受け入れました。
来日が初めてという彼女だったのですが、さすが日本に来て勉強をしたいと言う意欲が強いだけに、日本を知ることにはとてもハングリー。何にでも興味を持っていました。
そんな彼女を受け入れる側のホストファミリーとしては、やっぱり毎日の食事が口に合うかが、気になるところですね。
けれど、万が一、日本の食事の嗜好が合わなかったとしてもショートステイなので大事には至らないだろうし、ナンチャッテタイ料理まで入れると都内にはタイ料理店が数えきれないほど存在。
ですので、初めてのホスト役で食事のことが気になりつつも、わりと気軽に考えることができたとは思います。
ただ、絶対にはずせないと思った次の4つの点だけは、しっかりと抑えておきました。
留学生の食事、4つの注意点とは?
1.食文化の違いに気をつける
手を使って食事をする国もあれば、お箸をまったく使ったことがないという国もありますね。
タイ王国も、お箸の食文化はないと聞きます。
けれど、今回受け入れた留学生は、お箸の使い方にはまったく問題がありませんでした。むしろ、躾ができていない日本人よりも美しい。
ただ、お味噌汁の飲み方に戸惑っていました。お汁をどうやって飲み干すのか分からない様子なんですね。
実は、タイ王国には、食器に“吸い付いて飲む”という食文化が存在しないようです。
と、言いますか、そういう食事の仕方は、汚い作法だそうです。タイでは食器に吸い付くどころか、食器を手で持ち上げること自体がご法度。すべてレンゲやスプーンなどでいただくようです。
なかなか口をつけて飲もうとしない留学生に、「こうして飲むのよ」と、私たちを見よう見真似で教えましたが、最終日頃になってやっと恥じらいをなくして飲めるようになりました。
2.宗教を尊重する
外国の方と一緒に食事をするときは、これに一番気を遣います。
宗教によって口にしてはいけない食材が違うので、こうしたナイーブな点は予め留学エージェントにしっかり確認しておきました。
同じ宗教でも、さらにその中の宗派で牛肉がNGだったり、豚肉がダメだったりと違ってくるので、細心の注意が必要です。
幸いなことに、我が家が受け入れた留学生は、何を食べてもOK。かなり気が楽になりましたよ。
ちなみに、同じエージェントから同じタイミングで受け入れた、別のご家庭にホームステイしたタイ王国の留学生は、牛肉を食べてはいけない宗派だったようです。
3.アレルギーの有無に気をつける
これは、外国人も日本人も気をつけたいところですね。
今のところ、強い食物アレルギーを持っているという外国人に出会ったことがありませんが、こうした点も万が一の危険性を考えて、しっかりと留学エージェントに確認しておきました。
4.体調をよく観察する
日本と言えばお寿司!という外国人が多いですよね。けれど、現地のお水に身体が順応していない初日から、さっそくお寿司にチャレンジする外国人が少なくなくて驚きます。
私たち日本人が海外に行ったときは、初日からなま物を口にするのはNG。
油で揚げたものも避けた方がいい国さえあります。
いくら日本が衛生的で、本当に鮮度が高いものであっても、見ていてハラハラすることが。
水質が良いとは言え、そんなに日本のお水って世界の人のお腹に合うのでしょうか?
とは言え、大切な留学生をお預かりしているので、せっかくの勉強時間を奪ってしまわないように、なま物は留学生活の終盤にもってくるようにしました。
留学生は慣れない生活で体調が不安定になりやすいですし、そうしたときは、健康状態がいいときに比べて食あたりをしやすくなっているので、念には念を入れた方が良いと思います。
留学生の好き嫌いはどうだった?
意外に、納豆を食べられたことに驚きです。お醤油味が口に合うのかもしれませんね。
ただ、同時期に来日した他の留学生のお友達は、納豆が食べられなかったとのこと。やはり、納豆が食べられるかどうかは、個人差があるようです。
梅干しは、匂いで一瞬躊躇していましたが、お箸の先に少しつけてトライ。けれど、梅干しの酸っぱさはダメな様子。イクラも苦手だそうです。
焼き海苔や佃煮系は好きそうでしたよ。
ちなみに、彼女は試した食材を帰国後のレポートにしたいと言って、すべて写真を撮ってメモを作っていました。
日頃、私たちが何気に食べている食材が、外国の人にとっては写真に収めるほど珍しいというのも、私にとっては新鮮な光景でした。
留学生が一番喜んだ食事とは?
彼女が来日したときから知っていた日本のメニュー名が、すき焼きとタコ焼きとお寿司。
毎日のように連呼するので、多分とても楽しみにしていたんだろうと思うと、こちらもいつ用意をしようかとワクワクしますね。
たった6日間の滞在の中で、食べたいだろうと思う食事をすべて用意するとなると、完全に生活習慣病まっしぐらのメニューが続くことに。
でも、せっかくの来日なので、ここは気にせず堪能してもらおうと、割り切って連日のように並べてみました。
実際のところ、すき焼きもタコ焼きも、かなり気に入ってもらえたようです。ラーメンも食べたいということだったので、これは外出したときのお昼に取り入れました。
そして最終日の夜に手巻き寿司を。
我が家の娘は、外食よりも家で手巻き寿司を囲むのが好きなので、わりと頻繁に手巻き寿司を食べるんですね。ですから、家庭での団欒のような雰囲気での食事を、留学生にも味わってもらいました。
そのときに1つ気になったこと、それはタイ王国では左手が「不浄の手」と考えられているということ。
手巻きは、両手を使うんですけど・・・
でも、いくら不浄の手とは言え、日頃からまったく左手を使わずに食事をするわけではないようで、彼女は気にすることなく両手でクルクル巻きながら上手に食べていたので、ホッと一安心です。
手巻き寿司は相当気に入ってもらえたようで、帰国後も忘れられないとのこと。
今でも、よくLINEでお寿司のスタンプが飛んできます(笑)
今度また来日するときには、必ずお寿司を食べるそうです。
ここまで喜んでもらえると、こちらも嬉しいですね。
留学受け入れを決めたときは、食事が最初に気になりましたが、なんでもトライしてくれる好奇心旺盛で順応なタイプのお嬢さんだったので、こちらも楽しく毎日の食事を用意することができました。
編集後記
食事の好みが合わないと、海外生活ってほんとうに苦痛。今回受け入れた留学生の滞在がたった1週間とは言え、せっかくの来日で痩せて帰ってもらっては困ると思い、受け入れるまでは毎日の食事メニューの組み合わせに試行錯誤しました。
けれど、結果的になんでも楽しんで食べてくれる留学生だったので、ホストファミリー側としても、素敵な思い出をもらうことができましたよ。
次に彼女が来日するときは、また我が家に滞在してくれるそうです。そのときの食事メニューには、必ず手巻き寿司が登場すると思います。