
こうも暑い日が続くと、とにかく日帰りででも行ける避暑地を求めて出かけてしまいます。
旅行へ頻繁に行くわけにはいかないので、関東で日帰りが可能な場所をいくつかピックアップ。中でも、最近気に入って毎年訪れている所が、富士山のすそ野です。
実は怖い話で有名なこの場所では、今密かにブームになっている驚きの森林探検があるんです。普段、気軽に踏み込む観光客はいない場所ですが、安全対策をきちんととれば、最高の避暑地であること間違いなし。
今回は、関東で日帰りできる、静かで爽やかな避暑地をご紹介します。
Contents
関東から日帰りできる絶好の避暑地とは?
関東地方で日帰りが可能な避暑地の1つが、富士山の麓の河口湖インター周辺。車で行ってももちろん、電車や長距離バスを使っても、関東各地からだと楽々で日帰りができます。
この周辺は、言わずと知れた、緑豊かな大自然が広がる富士山の麓。降り立つと、都内との気温差をすぐに感じられる、清々しい場所です。
真夏の昼夜の気温差が日によっては10℃前後にもなるそうですし、都内の一日中ムンッとした都内の気候との違いがはっきり分かります。
しかも、さすが空気は澄んでいてとても綺麗!
森でもない場所でも、つい深呼吸をしてしまいますね。
河口湖インターの近くには、インターの横にある富士急ハイランドや、そこから車で移動すること20分ほどで到着できる忍野八海、富士山の5合目まで上がれる富士スバルラインに、富士山の神様が祀られている河口浅間神社など、観光スポットがギュッと集まっています。
その中でも、豊富な緑で生みだされている観光スポットが、青木ヶ原の樹海。
ここには、富士山ならではの不思議な洞窟や遊歩道など、実は見所がたくさん点在しているんです。
なぜ避暑地に最適?青木ヶ原樹海とは?
この見所が集まる観光スポットで今人気を集めているのが、富士山のすそ野に広がる青木ヶ原の樹海の中での森林探検。
青木ヶ原の樹海と聞くと、いろんな噂から踏み込んでもいい場所なのかと躊躇ってしまいますよね。
けれど、行ってみると、意外に「東海自然歩道」という遊歩道がきちんと整備されていて、長距離の散策コースがあることにも驚かされます。
我が家がときどき訪れる青木ヶ原の樹海の自然歩道入り口は、国道139号線から100mほどしか離れていません。
でも、このポイントですでに周辺の騒音からは閉ざされて、風に揺れる木の葉の音と小さな動物の鳴き声が聞こえるだけ。
まさに、静けさに包まれた感覚と言った感じなのです。
大きな樹に囲まれた自然歩道から空を見上げると、今自分がすっぽりと森の中にいるのを実感。心が落ち着いて、瞑想までしたくなるので不思議です。
これだけ大木に囲まれているので、当然ながら樹海の中はかなり涼しいです。
関東甲信越地方でも、場所によっては40℃近い気温になる中で、ここは異空間。どれだけ自然の緑が大切かを痛感させられますね。
青木ヶ原の樹海での3つのNG行動
1.指定の自然歩道から外れると?
青木ヶ原の樹海の中はすぐに迷うことで有名ですが、それは本当です。行ってみるとわかりますが、この「すぐに」は、時間にしてたった数分。
その理由は、樹海の中に入っていくと、たとえ立派な遊歩道でも急に周りが全部同じ景色になるから。驚くほど、目印になるものが全く見当たらなくなるのです。
樹海の中では方位磁石が効かなくなると聞きますが、樹海に入ってみると、方位磁石なんて大して役に立たないとすぐに分かることに。方角が分かったからと言って、迷ったときに簡単に抜け出せるような場所ではないからなんです。
ちなみに、方位磁石が本当に使えないのか試してみたことがあります。
使えましたよ(笑)噂のようにグルグル回り続けることはありませんでした。
ただ、もしかすると、人も入り込めないような樹海の奥地まで行くと、本当にグルグルと回り続けるのかも?
そんな場所までは行ったことがないので、分かりませんが・・・。
ただ、方位磁石が使えるような、樹海の浅い場所でも、人はこの中で迷ってしまいます。今の時代、スマホのような便利なツールがあるにも関わらず、です。
ですから、整備された自然歩道だけを散策するようにしてください。
また、青木ヶ原の樹海は天然記念物や国立公園特別保護地域などに指定されているので、指定された場所以外への立ち入りは禁止となっています。
2.本気で長距離の散策をすると?
前述のように簡単に迷ってしまう樹海なので、いくら自然歩道が用意されているからと言っても、長距離を単独で散策するのは避けた方がいいと思います。
途中には立て看板がいくつも用意されているのですが、細い遊歩道が枝分かれしていて、どれが本線か分からなくなるからです。
中には、迷いやすい事例が多発したことから、進入禁止のロープが張ってある立派な遊歩道もあります。
関東で日帰りできる絶好の避暑地としてご紹介はしますが、初めて樹海の散策に来たときには、あまり奥地に入り込まずに、遊歩道であっても静かに慎重に進むことをおすすめします。
国道139号線沿いには、樹海の中にある洞窟として人気の「鳴沢氷穴」と「富岳風穴」があって、この2つの洞窟を東海自然歩道で行き来することができます。
2つの洞窟の距離は、車で移動すると3分程度。まずは、この間の自然歩道を散策してみるのがおすすめです。
3.自然のものを採取すると?
国立公園特別保護地域などに指定されている樹海の中では、山菜や溶岩などの採取は違法になります。
林道を歩いているだけでも緑に輝くキレイな苔が広がっていますし、溶岩もゴロゴロと落ちています。ちょっと変わった植物もチラホラ。
けれど、これら自然のものは全て持ち帰りがNG。
当然のことながら、動物をいじめてもいけません。
本気で樹海探検するならツアーを利用!
少し散策をしただけで、もっと森の奥を探検してみたくなるのが青木ヶ原の樹海の魅力。つい、あと一歩、もう一歩と進んでしまいそうになるんです。
もし、本気で樹海を探検したいと思ったら、青木ヶ原樹海ネイチャーガイドツアーなどの樹海探検の専門ツアーがいくつかあるようなので、こうした機関を利用するのがおすすめです。
安全で楽しい探索になりそうなので、いつか我が家も行ってみたいと話しています。
青木ヶ原の樹海は名前だけでも恐れられてしまうような場所ですが、もともとはそう言った曰くつきの森林ではなかったようです。
それよりも、溶岩流のデコボコの上を覆いつくす緑色の苔と、その間を這うように伸びる樹の根や、見たことのない植物に聞いたことのない動物の声など、大自然の魅力がギュッと詰まった美しい森。
関東から日帰りで行ける絶好の場所なので、ぜひ専門家の案内で、樹海を探検してみたいものです。
東海自然歩道入り口へのアクセス
青木ヶ原樹海の散策入り口は至るところにありますが、その中で今回私たちが行った場所は富岳風穴という洞窟があるポイントでした。
富岳風穴のすぐ隣に、樹海の奥へと進める東海自然歩道の入り口があります。
1.車でのアクセス
中央自動車道、東富士五湖有料道路ともに、河口湖ICを利用。
河口湖ICで降りて、国道139号線を西湖・本栖湖方面に向かって約20分進むと、左手に「鳴沢風穴」が見えてきます。
さらにそのまま2~3分進むと、「富岳風穴」に到着します。
2.公共の乗り物でのアクセス
電車、高速バスともに、河口湖駅下車。
- 路線バスなら、河口湖駅から約30分で「風穴」バス停に到着。
- レトロバスなら、河口湖周遊線/西湖・青木ヶ原周遊線利用で、「風穴」バス停下車。
避暑地が一変!ホントにあった友人の怖い話
富士山の麓で生まれ育った友人が、子供の頃に家族で青木ヶ原の樹海を散策していたときのこと。
日帰りで気軽に森林探検をしようと、慣れ親しんだ場所に入っていったつもりが、道に迷って抜け出せなくなったと教えてくれました。
話を聞いていると、そんなに奥に入り込んだわけではなさそう。
けれど、迷いに迷って1時間ほど道を探し回って、ようやく近くを走る車のエンジン音を聞きつけたそうです。
やっとの思いでその道に出てみると、なんと自分たちが入った入り口から数分の場所だったとのこと。
迷っている間は、全然違う方向に進んでいる感覚だったそうですが、実はそんなに離れてなくて、大きな道路は間近にあったそうです。
しかも、この大きな道路と言うのは、交通量の多い「国道」だと言うから驚き!青木ヶ原の樹海は、国道のすぐ横で遭難してしまう不思議な森だと言うことの証明ですね。
地元育ちの家族なのに、お父さんは顔面蒼白になるし、もうダメかと本気で緊張が走ったとのこと。
それくらい、樹海の中では外部からの音が閉ざされていて、方向を見失うようです。
我が家でも、これまでに何度か真夏の避暑地を求めて樹海に行ったことがありますが、自然歩道を利用していても、せいぜい片道20分程度までしか進みません。
決して、面白半分で樹海の奥深くには入り込まない方がいいと思います。
編集後記
青木ヶ原の樹海は本当に美しくて、しかも外部とは比にならないくらい涼しい森です。
都内から日帰りできる避暑地として人気が出てきていますが、まだまだ怖い噂が先行しているのか、森の中の人の気配は少ないですね。そう言った意味でも静かな避暑地として楽しめるので、ぜひ散策してみてくださいね。
けれど、くれぐれも森の奥に入りすぎないようにご注意を。