SNSでよく見かける、何本もの鳥居が重なった光景が美しい、京都市の伏見稲荷大社。あまりに有名になった写真ですが、この冬、伏見稲荷を参拝することができました。
訪れたのは、年の瀬迫る12月。冬休みとは言え平日なのに、驚くほどの混雑ぶりです。
けれど、その混雑を我慢して進んだ先にはとても素晴らしい聖地が。
ぜひ参拝していただきたいと思って、おすすめどころをまとめてみました。急激に参拝客が少なくなる地点もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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千本鳥居を持つ伏見稲荷大社のご利益は?
まずは、本殿にご挨拶をしたら、その横から続く、色鮮やかな朱色の千本鳥居をくぐって山頂の奥社を目指します。
伏見稲荷大社のシンボルでもあるこの千本鳥居は、今ではとても有名な風景ですね。
実は、商売繁盛や五穀豊穣のご利益を与れる伏見稲荷大社は、全国に3万社あると言われている稲荷神社の総本宮。
それだけに、商いをする方だけでなく、万病平癒や学業成就など、あらゆる願い事を秘めた参拝客で賑わっています。
伏見稲荷大社の鳥居は、江戸時代から明治にかけて、参拝者の奉納によって建てられたとか。
「千本鳥居」と言う名称で有名ですが、参拝しているとその数は千本どころではないことが分かります。
今でも伏見稲荷大社では鳥居の奉納を受け付けているので、千本鳥居の数はこれからも増え続けていくようです。
平日の伏見稲荷大社の混雑ぶりは?
外国人客の数がとても多くて、観光がメインともとれる参拝客で伏見稲荷大社は大混雑です。
京都市内から伏見稲荷大社へ行くには、京都駅からJR奈良線に乗って、5分ほど移動した先の稲荷駅で降ります。
駅に到着し、ホームに降り立ってみてビックリ!
平日にもかかわらず、この稲荷駅の構内からすでに行列が始まっていました。
SNSやブログサイトでの人気で、急に参拝客が増えたということもあるのでしょう。
参拝客の数に対して稲荷駅がこじんまりとしているので、小さな改札口が参拝客で詰まっている感じです。
JR奈良線の稲荷駅は、改札口を抜けるとすぐに公道に出てしまうほどの小さな規模。
その向かい側にすぐ伏見稲荷大社への参道があり、鳥居の奥に見える門のところまで参拝客で埋め尽くされています。
平日でこの状況なので、休日や初詣のときには前へ進めないかも?と思うほど。
本殿の後ろ側から始まる千本鳥居の回廊も、長蛇の列で前へ進むのがやっとです。
この時点で、思わず奥社への参拝を諦めてしまいそうに・・・。
けれど、せっかく訪れた全国の稲荷神社の総本宮ですし、平日でこの混み具合ですから、いつ訪れてもきっと混雑状況は変わらない。
そう思って、せっかくのこの機会に、しっかりと参拝することにしました。
混雑でも参拝をすすめる5つの理由とは?
平日にもかかわらず、本殿の周辺やそこから奥社へ続く千本鳥居は大混雑していましたが、山の中腹にある奥社奉拝所までお参りしてよかったと、つくづく思いました。
その5つの理由と、急に混雑が緩和される地点をご紹介しますね。
1.稲荷神社らしくも珍しい絵馬
伏見稲荷大社本殿の後ろにそびえる小高い山の中腹に、奥社奉拝所と呼ばれる奥社があります。
千本鳥居をくぐって進む参拝者は、まずはこの奥社を目指すことに。
その奥社では、伏見稲荷がいかにも稲荷神社の総本宮と思わせてくれるような、珍しい形をした絵馬に出会うことができます。
それが、こちらの可愛い「百狐絵馬」。
誰が描き始めたのか、百狐絵馬の裏に書く願い事と一緒に、表にはきつね様の表情まで描かれています。
そのときの、参拝者の心情をも映し出しているようで、眺めていて面白い。こんなに1体1体の絵馬をじっくりと見ることは、他ではまずないですね。
世界中から観光客が押し寄せる伏見稲荷大社の絵馬は、書いてある願い事は万国の言葉なのでチンプンカンプンながらも、きつね様の表情は誰が見てもわかるので楽しいです。
きつね様の絵馬の初穂料は、1体500円。
ぜひ、稲荷神社の総本宮で、願い事をしてみくださいね。
2.本殿周辺よりも種類の多いお守り
伏見稲荷大社にも御守りをいただける授与所がいくつかあるのですが、下にある本殿周辺と中腹の奥社とでは、その御守りの種類が違っていました。
奥社の方が少し種類が多くて奉納金の幅も広いので、千本鳥居をくぐって参拝する予定なら、奥社で御守りをいただくと良いと思います。
大きな境内をもつ神社では御守りの授与所がいくつもあって、大抵はどの授与所でも同じ御守りが置かれていますが、伏見稲荷大社では違っているんです。
それだけに、中腹の奥社まで進むことをおすすめします。
3.自分の願いが叶うかわかる石
奥社奉拝所の授与所の奥には、自分の願いが叶うかどうかを試すことができる石がありました。
その石の名前が「おもかる石」。
石灯籠の一番上に置かれている頭の部分の丸い石を持ち上げると、自分の願いが叶うかどうかが分かるとされているんです。
試す方法はとても簡単。
1対ある石灯篭の左右どちらでも構わないので、片方の石灯篭の前でお願いごとをします。
そして、石灯篭の一番上の丸い頭の部分を持ち上げます。
持ち上げたときに、思っていたよりも軽ければ願いごとが叶う、重たければ叶わないとのこと。
実際に持ち上げてみると、その重みは微妙・・・。
願い事は努力なしでは叶わないよ、でも頑張れば叶うよ、と教えられた気分です。
奥社奉拝所まで参拝したら、ぜひ「おもかる石」を試してみてくださいね。
千本鳥居の回廊は大混雑していたものの、「おもかる石」の周辺はそれほどでもありませんでした。
私たちが「おもかる石」に到着したのは平日のお昼近い午前中でしたが、混雑具合は大したことがなく、列はできているものの5分ほどで試すことができました。
4.奥社から山頂に広がる絶景
本殿から奥社奉拝所まで続く千本鳥居は大混雑していてお祭りにでも来た気分ですが、奥社奉拝所から山頂に続く千本鳥居では、急に参拝客の数が減ります。
奥社奉拝所は、千本鳥居を観に来た観光客とお参りに来た参拝客とが二分されるような地点。
ここから先が、神秘的で美しい鳥居を静かに観られる参道となるんです。
周辺の樹々までもが神々しく見えて、やっとパワースポットに来たことを実感できるような張り詰めた空気。
さすがにここから先は、訪れる日本人も外国人も口数が少なくなるので不思議です。
本殿から奥社奉拝所までは、混雑している中でも30分ほどで進めました。
わりとすぐに到達できると思うので、ぜひ諦めないで参拝してみてください。
5.奥社の上にある神々しい熊鷹社
奥社奉拝所を抜けて、さらに上へと続く千本鳥居をくぐって行くと、聖域である稲荷山中に「熊鷹社」と名付けられた奥社が見えてきます。
熊鷹社のすぐ後ろには「新池」が静かに横たわっていて、山中のありがたい空気で汚れた心が洗われるよう。
熊鷹社まで訪れる参拝客は激減するので、ここでは心を静めてゆっくりとお参りすることができます。
熊鷹社からさらに稲荷山の頂上へ向けて伸びている参道を進んでいくと、稲荷山を一周する「お山めぐり」ができるそうです。
1周の長さが約4kmあって、所要時間は約2時間。
そこまで余裕のなかった私たちは稲荷山のお山めぐりまではできなかったのですが、時間が許せばぜひ行ってみてください。
伏見稲荷神社の真面目に出会えると言われています。
伏見稲荷大社の参拝情報
1.奥社奉拝所先のトイレ
稲荷山の中腹の奥社奉拝所を抜けてさらに熊鷹社を目指すときは、その途中にあるトイレを利用しておくことをおすすめします。
さらに上へと伸びる階段のその先にある熊鷹社まで行くと、トイレはありません。
トイレに行きたいときには登り切った階段を一気に降りるしかないので、早めに利用しておくといいですよ。
2.伏見稲荷大社への参拝時間
終日、参拝が可能です。
3.伏見稲荷大社へのアクセス
伏見稲荷大社へは、京都駅からJR奈良線に乗って「稲荷駅」で下車するか、京都駅から東寄りを大阪に向かって走る京阪線の「伏見稲荷駅」を利用します。
京都駅からJR奈良線を使うと2駅と近く、所要時間は5分ほど。
ただ、快速が止まらないので、JR奈良線に乗車するときには気をつけてください。
京都市伏見区深草藪之内町68番地
075-641-7331
編集後記
伏見稲荷大社の平日の混雑ぶりには驚きましたが、途中から急に参拝しやすくなるのは予想外のありがたさでした。
時間が少ない中で千本鳥居を見に来た外国人観光客が多いせいかとも思いますが、駅前の混雑ぶりを見ただけで諦めなくてよかったと思います。
ぜひ時間の許す限り、奥社の上まで参拝してみてくださいね。