蒸し暑い夏に、屋外の睡蓮鉢で優雅に泳ぐメダカを見ると、気分も涼しくなりますね。実はメダカはほとんどお世話がいらないので、屋外での育て方がとても簡単なんです。
酸素ポンプは不要で、屋外だろうと越冬をこなすメダカ。
産卵できる環境を整えておくと、翌年の春には次々と卵から稚魚が誕生します。
今回は、わが家のベランダで繁殖する、メダカの卵と稚魚の育て方をまとめてみました。
Contents
メダカの屋外飼育に必要な最低限のグッズ
わが家では、めだかの飼育を最初から屋外で始めました。
そのときに用意したグッズは、たったこれだけ。
- 水槽
- 底砂
- 水草
- エサ
とてもシンプルです。
育て方が簡単なめだかは、屋外であってもそれほど必要とするグッズがありません。
「メダカ飼育の初心者なら知っておきたい超簡単な飼い方とは?」でもご紹介しているのですが、めだかの飼育が初心者であればあるほど、育て方も簡単にしておく方が長続きします。
最近は、水替えがあまり必要ない底砂もたくさんあるので、そうしたタイプを選ぶとより一層水槽の管理が楽になりますね。
メダカの稚魚が育ちやすい水草は?
ペットショップに行くと、いろんな種類の水草を販売していますね。
わが家でも、どの水草がいいのか試行錯誤してきましたが、最終的にこの5年くらいはずっとホテイアオイを使っています。
その理由は?
↓ ↓ ↓
- ホテイアオイの根っこについた卵を摂りやすい
- 水の中でバラバラになりにくく、丈夫で長持ち
- 自然に株分けして増えていく
- 初夏に紫色の涼やかな花が楽しめる
屋外で飼育するメダカにおすすめの水草には、マツモやアナカリスのように涼し気な水槽を演出してくれるものや、水面に浮遊させるフロッグビットなど種類が豊富。
けれど、こうしたマツモなどは本来育てやすいらしいのですが、どうしても我が家では数ヶ月で草がバラバラになり、見た目の美しさにも欠けてしまいまして・・・。
それで色々試した結果、今ではほとんどお手入れをしなくても可愛い花まで咲かせて何年ももつ、ホテイアオイに落ち着いています。
メダカの産卵が始まったら?
春になり、屋外に暖かさを感じるようになると、10個前後の卵の塊りを下腹部にくっつけたまま泳ぐ、メダカのメスの姿が見られるようになります。
そんな姿が見られたら、ホテイアオイの根っこを見てみてください。
あちこちに、卵がくっついていると思います。
メスは卵をホテイアオイの根の奥深くにまで付けるので、その卵を1つずつ丁寧に採って別の水槽に取り分けておく方法がおすすめ。
そのままにしておくと、卵だけでなく産まれてきた稚魚も親が餌と間違えて食べてしまうんです。
卵の育て方を考えると、卵を入れる容器は小さいサイズのものが便利です。
わが家では、果物が入っていた透明のプラスチック容器や、10㎝四方のガラスの容器などを、稚魚用の水槽にしています。
メダカの卵の育て方
毎日のように産卵するメダカからは、たくさんの卵を採取できるのですが、中には無精卵だったり、有精卵でも成長しない卵があります。
卵の育て方では、特に難しい作業があるわけではありません。
ただ、成長している卵とそうでないものは、選別しておくのがおすすめ。
成長できなかった卵と隣り合っている、生きた卵までダメになることがあるからです。
卵が成長しているかそうでないかは、卵の色で見分けることができます。
卵の内側から白くなったり、卵の周りにふわ~とした白カビのようなものが覆っているものは、中のメダカがもう育っていません。
もし、見た目で判断に困ったときには、卵を指で摘まんで、指の腹同士でクリクリと卵を回してみてください。
成長しなかった卵は、とても簡単に潰れます。
けれど、生きているものは軽く摘まんだ程度では潰れないので、元気な卵だけを残していきます。
メダカの赤ちゃんが育っていれば、卵の中から稚魚の黒目が見え始めます。
初めて見たときにはあまりに可愛くて、感動しましたよ。
こんな風に卵を選別する方が良いので、前述したように、卵を育てる容器は小さめのものがおすすめ。
さらに、卵を採り分けるときには、スポイドを使うと便利です。
メダカの稚魚の育て方
産卵から孵化までの日数は、水温によって違ってきます。
水温が20℃なら約12日間、25℃なら約10日間で孵化するようで、春先と夏場に採取する卵の成長スピードが違うのが分かります。
この日数を目安に、卵を育てている水の中を見てみると、糸のように細く小さなメダカの稚魚が見られるようになりますよ。
腐りやすい卵と稚魚は隔離しておきたいので、わが家ではさらに稚魚用の小さな水槽を用意しています。
また、孵化した稚魚が全て成長するわけではないので、これもまた稚魚の水槽の中で育たなかった子を取り除く必要があります。
そこで数日間過ごしてしっかり泳げるようになってきたら、稚魚だけの大きめの水槽に移して飼育します。
これらの作業も、すべてスポイドがあるととても便利ですね。
メダカの産卵は夏の終わりまで続くのですが、涼しくなる頃に採取した卵から産まれる稚魚は、あまり丈夫に育たない傾向にあります。
そして秋が深まる10月頃に、親メダカの口に入らなくなったサイズに育った赤ちゃんめだかは、親メダカの水槽へとお引越し。
こうすることで、越冬を1つの水槽で管理することができます。
メダカの稚魚の餌はどんなもの?
稚魚の餌は、メダカの親とは違って粉末状のものを与えます。
ペットショップに行くとメダカの稚魚用のエサを売っているので、分かりやすいですよ。
あまりたくさんの量を入れると水が汚れるだけですので、ほんの少しの量を、毎日1回与えています。
エサの量は、孵化した稚魚の数に合わせて調整してくださいね。
思ったほどガツガツと食べないので、あまり餌の量は必要ないと思います。
メダカの卵はいつまで採るの?
メダカの産卵条件は、水温が18℃で日照時間が半日以上。
日照時間も条件に入るので地域差や屋外の環境にもよりますが、メダカは秋になっても卵を産み続けます。
このところ、晩秋になっても暖かい日が続くので、去年の我が家ではかなり長い期間、卵を産み続けました。
けれど、全部の卵を採取しても、大人まで育つメダカの個体数は水槽の大きさに比例して自然淘汰されます。
また、「メダカの稚魚の育て方」でご紹介したように、秋口の稚魚はあまり大きくしっかりとは育たない傾向にもあります。
ですから、我が家では丈夫に育ちやすい真夏までの卵を採取して、後は自然の摂理に任せています。
メダカの卵を採らないと稚魚はどうなる?
メダカが産卵した卵をそのまま水槽の中に放置していても、無事に稚魚から大人へと成長することもあります。
翌年の春に、親メダカの水槽の隅で赤ちゃんメダカを見つけると、思わず顔がほころびますね。
けれど、この赤ちゃんメダカは運がいいだけ。
大抵は、親メダカにエサと間違えて食べられてしまいます。
わが家では、屋外の水槽でビオトープの環境を作っているので、メダカ鉢はほとんど自然任せ。
水替えをしないから、産み付けた卵が流れていくことがありません。
ですから、親メダカの水槽で生まれた稚魚は、豊富な水草の陰に隠れながら、親の餌にならないように成長していくようです。
けれど、翌年にたくさんのメダカを増やしたい場合は、ある程度の手助けが必要です。
メダカ鉢を放置するとボウフラが湧く?
屋外で飼っているメダカの水はほとんど交換しないので、初めての夏はボウフラの繁殖が心配になりました。
けれど、実はメダカは雑食性。
藻も食べますが、生きた虫の方が断然好きです。
メダカはボウフラが湧くまでもなく全部食べてしまうので、屋外で放置しているメダカ鉢にボウフラが湧くことはありませんでした。
また、メダカはボウフラだけでなく、アブラムシもかなりの好物。
わが家では屋外に置いてある植物につくアブラムシを採って、メダカに与えることも。
粉のエサよりも昆虫の方が、元気に泳ぎ回って食べています。
編集後記
わが家のあたりでは、冬の戸外の最低気温がマイナス3℃くらいまでになります。それでもメダカたちは屋外で越冬し、翌年にまた元気に繁殖してくれています。
メダカの産卵の手助けや稚魚の育て方には、慣れるまで少し戸惑うかもしれませんね。けれど、飼育2年目にはもう飼い方に慣れていると思います。
メダカほど手のかからない魚はいないと思うほどですので、ぜひトライしてみてくださいね。